ホームページ更新日記2009.01.15より
パム・グリア主演の『残酷女刑務所 the Big Doll House 』(1971) を冒頭だけちょっと観ていたら、なんだか聞きおぼえのあるテーマ・ソングがタイトル・バックに流れてきた。
主演スターの歌う『ロング・タイム・ウーマン』であった。
この下手くそな歌をなんでよく憶えているかというと、『ジャッキー・ブラウン』のサントラ版CDに入っていたからだ。
解説には頼りないことしか書かれてなかったが、元オリジナルはこれだったか。ひとつ賢くなった。
ただし、タランティーノ映画『ジャッキー・ブラウン』のどのあたりで、この歌が使われていたのかは、とんと憶えていない。
そういえば、あの映画で圧倒的に復活したボビー・ウーマックの『110番街交差点』も、オリジナルの同タイトル映画のタイトル・バックに流れていたのは、女声コーラスの入った別ヴァージョンであったし。
『残酷女刑務所』は、1972年に日本でも公開されたらしい。まったく知らなかった。
パム・グリアのデビュー作は、ラス・メイヤーの『ワイルド・パーティ Beyond the Valley of the Dolls』(1971) 。
その他大勢の一人だったようだが、ヒマがあったら確かめてみよう。
この作品は、監督がラス・メイヤーということもあって、市販品もあるし、コピーも出回っている。
第二作が『Woman in Cage』(1971) 。
劇場未公開だが『女体拷問鬼看守パム』というものすごいタイトルで、VHSもDVDも出ている。
ロジャー・コーマン製作の低予算路線のひとつ。フィリピン・ロケでお手軽な仕上げとなっている。
たしかに、パムはサディストの女看守役で活躍するけれど、まだ主演クラスではない。
女刑務所のなかで「人種差別が逆転する」というストーリーだから、ナチスみたいな悪役あつかいなのだ。
これがチープな女刑務所モノのはしりになったらしく、以降、ドールとかケージをキーワードにした同一路線がつづく。
『女体拷問鬼看守パム』は、アクションもエロも全然たいしたことがない。
刑務所モノとはいっても、白人ヒロインのグループが鬼看守パムを人質にとって脱獄した後の後半は、ゆるい追跡サスペンスに変調する。
観ているのも辛くなってくると、逆光をシルエットにした野外シーンがいくつか出てきて、ここだけ、えらく美しいのだ。
それが場違いに挟まれるので、よけいに印象深い。不思議な作品だ。
その女刑務所モノの続編が『残酷女刑務所』。
映画館にかかったのは、これのみ。
続々編が『残虐全裸女刑務所 the Big Bird Cage』(1972) 。
こちらも未公開とはいえ、VHSもDVDもあり、堂々たる〈ヘア無修正版〉をうたわれている。
ロジャー・コーマン製女刑務所三部作ってところか。