2025.11.03 『罪人たち』 2025
SINNERS
「クリード チャンプを継ぐ男」「ブラックパンサー」のライアン・クーグラーとマイケル・B・ジョーダンの監督・主演コンビが、1930年代のアメリカ南部を舞台に贈るエンタテインメント・アクション・ホラー。マイケル・B・ジョーダンが1人2役で演じる双子の兄弟を主人公に、故郷の田舎町に戻ってきた兄弟が一獲千金を夢見てオープンさせた黒人向けダンスホール(ジューク・ジョイント)が、ある招かざる者たちの襲撃を受け、…… ーーーーallcinema.onlineより



酔いどれのブルース・シンガー役にデルロイ・リンドー。



シカゴの暗黒街で名を売った双子(スモーク/スタック)が、持ち帰ったギターをチャーリー・パットンのものだった(?)とか、従弟を騙す。
この従弟のブルースが惨劇を呼び寄せる根源。そして彼が唯一の生き残りになる。
ギターが「悪魔」を呼び寄せるって噺のモトは、ロバート・ジョンソンの「Me and the Devil Blues」や「Cross Road Blues」などににあるんじゃないか、と思う。



吸血鬼の「感染源」は白人だけれど、アイルランド移民となっている。その前に先住民も登場するが、この連鎖はよく理解できない。半世紀前のブラックスプロイテーション路線の「名作」『吸血鬼ブラキュラ』を思い出す。
「暗闇」の種族からの誘惑は、人種差別の現社会(まだ奴隷制がつづいているかのような)とも絡まって、それなりの迫力でせまってくる。暗闇のむこうには、差別のない明るい世界が待っているーーとか。
一夜明けて……。太陽が昇ると、定番どおりに、吸血鬼族は全滅していく。んだが、ハッピイエンドは、来ない。
昇る太陽のさんさんたる陽の光りのもと、真昼の悪魔KKKの白人リンチ集団が雲霞のように登場して……。
「終わり」のない終幕なんだな。



そういえば、ウェズリー・スナイプスの『ブレイド』シリーズにも、ブラックの血と吸血鬼種族の「混合」ってアイデアは使いまわされていた。

