よく出来たハリウッド製サスペンス。
という以上の感想が湧いてこない……。
『サマー・オブ・サム』 (1999)とか、『オールド・ボーイ』 (2013)とか、わけのわからないものを観せられるより、こういう安定路線のほうがいいのは確かだけれど。
『クロッカーズ』 (1995)と較べてみれば、作家的後退は否定しようもない。
ブラックネスを感じ取れたのは、3場面くらいだった。
人質にされた黒人の子供が、ブラックばかり的にするストリート・シューティング・ゲームに熱中して親爺を呆れさせるシーン。
容疑者として「ターバン野郎」を片っ端からしょっぴいてきて、署内で恫喝をかけるシーン。
つまらない主役を押しつけられたデンゼルが、一瞬だけアドリブのように見せる「地」の表情と仕草。